膣とサイファーと斑鳩
中島らもの「今夜、すべてのバーで」という小説で、アルコール中毒で倒れ入院した主人公が、病院のベッドでも眠ることの出来る秘訣についてこう明かしていた。
"眠るコツのようなものを掴んできた。(中略)「凡」なら「凡」という字についてずっと考え続ける。考えるというよりは脳裡に見るのだ。そのうちに凡の字に関連あるようなないような、非現実的なイメージが一瞬浮かんでくる。「夢のしっぽ」と呼んでいるこいつをつかまえるのだ。"
私はこの文を初めて読んだ時、「夢のしっぽ」というワードを用いて、入眠に至るまでの朝になったらすっかり忘れてしまうあの感じを文章にできる表現力に感動し、おうおうそうやねんまさしくやねんと身を乗り出すくらい興奮した。
けれども残念ながら、肝心の主人公の使う睡眠法を用いても、すぐに眠れる!ということはなかった。
私の中で「凡」は「凡」であり、それ以上にはならない。
どうにかこうにか、夢のしっぽを毎回の就寝前に意図的かつ確実に掴める方法はないか、と思い調べるうちに、私はついに1つの方法に辿り着いた。
前置きが長くなったけれど、その睡眠法が、あくまで個人差はあるかもしれないけれど私にとってはめちゃくちゃテキメンなので試してほしいでっせ!という記事です。
このブログタイトルの「あおむけで眠りたい」はイエモンの歌詞から雑に引用したものだけれど、思いがけず2回目にしてそれに沿った記事内容になった。
その睡眠法がこちらに詳しく書いてある。
https://a.excite.co.jp/News/society_g/20170517/Newsphere_30557.html
シャッフル睡眠法というもの。
今気がついたけど、ブログに「睡眠法」という怪しげな文字列が並んでいると、人間偉いもんでそれが例え自分の打った文字であろうと身構えてしまう。
そこに貼られているURLとか死んでも飛びたくない。「法」の文字がそうさせるのか。
このURL先はexciteニュースなので多分安全です。多分。
私が実際に使っている方法は、この記事で取り上げられているものから、ちょっとアレンジを加えたバージョンなので、どう違うのかを明らかにする目的も兼ねて、私の拙い文章でもこのシャッフル睡眠法について説明しておく。
シャッフル睡眠法のやり方
① 布団に入る。
② なんか短い単語を適当に思い浮かべる。(例:スイカ)
ココアなど、同じ文字が重複している単語は避けよう。
③ その単語を構成する1つ1つの文字を頭文字に持つ別単語を、何でもいいので思い浮かべる。(例:ス・イ・カ のス → ストーブ、スキー、寿司……)
以降この③の手順を、なんか分かりやすく適当に「深追い」と呼ぶことにします。
④ その頭文字でもう思い浮かぶ単語がないな…と思ったら次の文字の深追いにいく。(例:ス・イ・カのイ → イルカ、椅子、いくら……)
⑤ そうこうしてる間に寝ちゃう。
上記URLに書かれているのはそんな感じの内容でした。
大脳皮質の部分が理論だった活動をしているうちは人間は眠りにつけないのでうんぬんかんぬんみたいなメカニズムの部分もきちんと明記されているけれど、なんかよく分かんなかったから飛ばした。
「何言ってるの?そもそも文章がヤバすぎてよく分からない」という人は回り道をさせてすいませんだけどURLの記事を読んでください。
余談ですが、自分がいつも頭の中で当たり前にやってることを文字に起こそうと思うと、脳の変なところを使ってギャー!ってなるのでとてもいい体操になる。
そして、前述の通り私は何回かこの方法を試した上で、「こうした方が私には向いてるな~」と思い、付け足した独自ルールがありまして…
・思い浮かべる最初の基盤となる単語は3文字の単語のみに限る(2文字以下だとあっけなく、4文字以上だとややこしい、忘れる)
・深追いは、一単語のみに留める (例:ス・イ・カのス → ストーブ ス・イ・カのイ→イルカ…)
こんな感じ。
2個目に関してはつまり「浅追い」じゃないかっていう。早すぎる定義の崩壊
なぜ一単語のみに留めるかというと、私がイラチだから。
早く次の文字の深追い、もとい浅追いに行きたくてイライラして、眠るどころでなくなる…
頭の中だけのルールにつき誰に咎められることもないので、こんな風に適宜自分好みのものに改造したらいいです。
この入眠法の何が楽しいかというと、自分の深層心理と思いがけず向き合えることだと思う。
この前の私の例を挙げると、まず布団に入り、まどろみつつ、う〜ん最初の3文字何にしようかな…と考えて、真っ先に「ちさい」が出てきた。
地裁 略さずに言うと地方裁判所
なんで?法学部ならまだしも、私は法学部に籍を置いていない。
まあ夜のニュースを見たりして、知らぬ間に地裁というワードが頭にこびりついてることもあるでしょう…と思い、浅追いの段階に入ると、
ち…膣(ちつ)
さ…サイファー
い…斑鳩(いかるが)
という単語がそれぞれ思い浮かんだ。
強い。単語のクセが強い。斑鳩って単語聞いたの、高校の日本史以来かもしれない。
ところでサイファーって何?と思い検索したら、ヒップホップ用語で「複数人で輪になって即興でラップをすること」らしい。そうなんだ~
いつもは「3文字ね おへそ!お…お…おにぎり!」等と和やかなムードで進行しているのだけれど、この日は気が立っていたのかもしれない。
こんな風に、自分でも思いもよらないもしくは意味全然知らね〜 な単語が出て、ちょっとビックリしたりウププとしたりを繰り返すうちにいつの間にかぐっすり寝てる。絶対寝てる。
なので大体どんな単語が飛び出したかは翌朝になったら覚えてないものなのだけれど、膣サイファー斑鳩に関しては不可解が過ぎて、もしかしたらインターステラーよろしく未来の私からの重要なメッセージを受け取ったのかもしれない…と思い、むくりと起きて携帯のメモに書き落としました。
結論を言うと、翌朝の私を困らせないためにもメモを取るべきではないです。
妄言はなるべく頭の中だけに留めて、みなさんもレッツら快眠ライフを送ってください。
それではおやすみなさい。